ホーム>迎茶百科

迎茶百科

目次

 

ティーカップの歴史

ティーカップ

ティーカップといえばカップ&ソーサーと呼ばれ、現在ではハンドル付きのカップと受け皿の組み合わせをイメージします。これは時代によりカップ、受け皿、皿と三点で一組とされた頃もあれば、さらに古くはコーヒー、紅茶カップに受け皿が一つで一組の時代もありました。当時の生活スタイルや磁器の希少性などを反映して、器のセットもスタイルが変わってくるのです。

もともと西洋にはお茶はありませんでしたからお茶を飲むという行為自体、富裕層の東洋趣味としてそのままのスタイルで輸入されました。

しかし磁器が欧州でも生産できるようになると、自分たちの利便性に合致した器を作り出すようになります。

ドイツのマイセン、オランダのデルフト、イギリスの諸窯が次々に景徳鎮の倣造品を作り、続いて手や口に馴染みやすい百花繚乱独自の器を作り出していきました。中国からの伝来当初には元々なかったカップのハンドルや受け皿の使い方の問題も諸説ありますが、いずれにしても時宜にかなって使いやすいものに変化をしていったという事では間違いないと思いますし、それが世の倣いです。

特にイギリスでは大英帝国の版図が広がると世界中からデザインが集まり、ロココ調が主流で時代が止まっていたような西洋磁器の世界で自由な空気を押し広め、続いて対岸のフランスやドイツでアールヌーボーやアールデコの器に引き継がれ、時代のモードとともに斬新なものを次々と生み出していきました。

そうした流れは現代は停滞してしまい、魅力ある生きた製品が少なくなったと言えます。懐古趣味やコストの計算が先に来て、魅力ある物への意識的な取り組みが無くなってきました。時代の息吹にあふれた生きた製品にたくさん出てきてほしいものです。

迎茶でご紹介しているティーカップ&ソーサーはこちらでご覧いただけます。

→迎茶百科トップへ

中国茶の歴史

茶葉

お茶発祥の故郷、中国のお茶はお茶の歴史と文化を語るうえで欠かせない大切な存在です。
時代や地域、時節によって様々なお茶と暮らしを育んでできた中国には、なんと数百種類ともいわれるお茶が存在するそうです。
世界各地には、それぞれに育まれてきたお茶文化の歴史がありますが、お茶の発祥地である中国には古くからのとても長い茶文化の歴史があります。
このページでは、私たちのが日頃飲んでいる中国茶について、より深く知るうえで是非触れておきたい「中国茶の歴史」について簡単にご紹介いたします。

中国茶は、中国大陸及び台湾で作られる茶の総称です。
中国茶、台湾茶などという呼称もありますが、中国の伝統製茶法を引き継いだ様々なお茶が世界各地に存在する今日、製法に伝統を強く引き継いでいる大陸と台湾の茶を総じて中国茶と言っても構わないのではないでしょうか。
中国茶としてその共通するところは、味や香りといった単なる嗜好性の枠を超えて、伝統哲学や医学、宗教観に基づいた志向が製造と価値観に深く関わっているところであり、そこが製造法や産地にとどまらず日本茶やインド紅茶と大きく違うところです。
中国茶の世界で茶を「飲む」という言い方が、「喫茶」や「品茶」など多種多様あるのはそういった伝統の表れです。
最近でこそ西洋式の舌や鼻でテイスティングすることが普通になされていますが、本来は体に取り込んで五体で茶葉の滋味を受け取り覚醒することによって、心身のバランスをとることができるような力をもつものがよいお茶とされ、特に唐代以降、詩や文学にもそういったことがたくさん出てまいります。

古来より南方の地域的嗜好品や薬、健康食品であった茶が、一般に中国全土で飲まれるようになるのは、唐王朝の全土統一まで待たねばなりませんでした。
西域とも接する大帝国の繁栄は世界中の物産、人材の往来を招き、経済活動の発展と相まって多岐に爛熟した文化が展開しました。
その頃、一人の人物が茶を点てることで一家をなそうとしておりました。
今は茶聖と呼ばれる「陸羽」その人です。
陸羽という人の出現と、その人の著した喫茶のガイドブックともいえる「茶経」という書物が世に出たという事は、唐代の喫茶の流行をもって、茶というものがそれまでの局地、地域的な物産の地位から世界経済的な物資の地位へと移行する一つの転換点に位置していたことをはからずも表しています。つまり唐代の喫茶の流行と私たちの今日の中国茶の流行は、実は同じ路線の上に存在すると言えるのです。

それゆえ中国茶を楽しむ私たちにとって、唐、宋、元、明、清の茶文化に関心を持つことはお茶の今を知るために、実はとても有益で大切なことです。

宋代にはお茶は完全に中国に普及したのみではなく、近代的市場経済の萌芽発展とともに国家の重要な交易品目として生産量も増え、流通も発展したことで付随したサービスや茶器製造なども併せて末端まで発展していくことになります。
宋代に確立された喫茶法の一つ、茶筅による抹茶の点茶はそのまま日本の現在の抹茶につながるものです。
禅宗の流行と茶のかかわりもこの時代の重要な要素です。

モンゴル人による征服王朝である元朝になると帝国の版図は遠くイラクや東欧までにおよび、モンゴル人によって中国の文化が西にたくさん持ち出されました。お茶を飲む習慣もこのとき西にたくさん持ち込まれたのでしょう。
今でも中央アジアの遊牧民の古い生活道具には美しい刺繍を施した絹の茶入れなど伝統のあるものが残されていますが、それらはこの時以来のものです。
また、西域のイスラムの戒律では禁酒となっていますが、お茶は今でもチャイとしてインドからイラン、トルコまであらゆるムスリムの国で日常愛飲されています。さまざまな国の興亡と民族の移動で、馬の背で茶葉が遠くまで運ばれた時代の名残です。
そしてこの時代、釜蒸し茶の緑茶製法が現れます。日本のお茶と同じ製法がこの時出てきたわけですが、中国では続く明朝に蒸しと抹茶がすたれて、釜煎りの葉茶が主流となって今日まで続きます。
明朝末期、日本が徳川時代となり、将軍家の鎖国政策のため大陸の流行がダイレクトに伝わることが無くなったことを考えると、それぞれの製茶の主流が蒸し茶と釜炒り茶としてここで分岐したことがとても興味深く感じられます。

明朝は漢民族の農民が建てた王朝です。それまで異民族に抑えられていた漢族の知識人が一斉に活動を開始しました。
お茶に関する著作も増えて、文人文化の再興とともにいわゆる、学者やお金持ちの通人が大活躍しはじめます。
この時代にお茶のこまやかな楽しみ方がたくさん考案されます。
みなさんがよく使う朱泥や紫泥の急須や茶杯もちょうどこの頃現在のスタイルになりました。
お茶の楽しみ方のバリエーションが増えて地方色など細分化して清代に引き継がれます。
この頃の喫茶を扱った絵画をたくさん見ることができますが、描かれた茶のスタイルは現代にとても近いものです。
現代との大きな違いは茶芸のような商業ベースの茶文化による無理な牽引ではなく、知識人の教養が茶文化を牽引していたことです。
それゆえ道具づかいに無理がないことが絵画からも見てとれます。

清朝は元朝以来の征服王朝である滿洲女真族による統治の時代です。
清朝はモンゴル人王朝の元が短命で終わったことから、自ら漢化するところはして、文化事業を大々的におこなうことで漢人知識人を大動員し、政治的不満の矛先が王朝に向くことを遠ざけました。
そのため学問の整理がたいへん進んで知識人が政治より趣味に没頭する時代となりました。
茶が台所から書斎に持ち込まれ、学問と芸術の趣味が深くつながって茶葉や茶器の嗜好に影響を与えるほどになり、北方と南方の茶の楽しみ方、知識人と庶民の茶の楽しみ方にも違いが顕著になってきました。
全国的に大官や豪商の茶の飲み方は北京の宮廷や官僚に影響受けたものであり、庶民はその土地の巷の酒場や賭博場のその場の利便性から生まれた流儀を受けて発展しました。
日本の寿司が鉄火場で生まれたのと、茶芸が賭博の合間に生まれたのがとてもよく似ています。
エンターテイメントとしてのお茶もこの頃庶民の娯楽の中から生まれてきました。
これからは、南方庶民出身の茶芸のみならず、北方の中国茶の楽しみや宮廷貴族や文人のお茶の楽しみ方も大いに研究され楽しまれることを願いたいと思います。

→迎茶百科トップへ

紅茶の効能について

紅茶を飲むことで得られる効能

紅茶

皆さま、紅茶はお好きですか? 紅茶をお好きな方はたくさんいらっしゃると思います。
ティータイムを設けて、毎日楽しんでいる方もいらっしゃることでしょう。普段なにげなく飲んでいる紅茶がいろいろと体によいこと、ご存知ですか? ここでは、紅茶を飲むことで得られるさまざまな効能についてご紹介します。

1.高酸化防止

肌トラブルや生活習慣病の原因と考えられている活性酸素。 その活性酸素を除去する成分が紅茶に含まれています。 その成分の名はテラフラビン。 このテラフラビンが活性酸素を除去してくれて、美しく健康的でいるための手助けをしてくれます。

2.栄養補給

紅茶の茶葉には、新陳代謝を整え、体の成長をサポートするために必要なカルシウムやカリウム、ビタミンB1、ナイアシンといった栄養素が豊富に含まれています。

3.ストレス解消

紅茶に含まれるカフェインは、疲労回復やストレスを発散してくれる働きがあります。
慢性的な疲労やストレスを感じているという方は、紅茶を積極的に飲まれると良いでしょう。

4.虫歯予防

紅茶に含まれているカテキンやテラフラビンは歯垢を予防する効果があります。 歯垢は虫歯の原因です。
カテキンやテラフラビンを含む紅茶を飲み続ければ、虫歯知らずの生活を送ることができるかもしれません。

5.風邪予防

カテキンやテラフラビンには殺菌作用もあるので、歯垢を予防するだけでなく、風邪まで予防してくれます。
普通に飲んでもいいのですが、紅茶でうがいすることで、より効果を期待できます。

6.ダイエット

紅茶はダイエットにも効果的です。この効能は特に女性にとって嬉しいものですね。
カテキンには糖分分解酵素、カフェインには脂肪分解作用・脂肪燃焼促進作用がありますので、ダイエット目的の運動時の飲み物に紅茶を飲むのも良いかと思います。 もちろん、ミルクや砂糖は大量に入れないでお飲みください。

見落としがちなポイント

こんなに効能のある紅茶、せっかくいただくならより美味しくいただきたいですね! そこで、紅茶を美味しく淹れるようと思った際に意外と見落とされがちな「紅茶に向いた良質な素材のポット」の選択がポイントになります。

せっかくの茶葉も、紅茶に向いた良質なポットと普通のポットでは味や香りに優劣が出てきます。 ちょっとした淹れ方の工夫と茶器の吟味で本来の紅茶の良さを引き出して、お茶の力をパワーアップすることができます。

→迎茶百科トップへ

中国茶の淹れ方

磁器ポットを使った中国茶の淹れ方

みなさまは、中国茶をどのように淹れていらっしゃいますでしょうか。 最近はすぐに飲める市販の中国茶を飲んでいるという方も多いですね。でも、ご自分で淹れた、淹れたての中国茶は格別の味わいがあり、とても美味しいものです。 ここでは、磁器のポットを使った中国茶の淹れ方をご紹介したいと思います。

1.お湯を沸かす

まずは、お湯を沸かしましょう。ヤカンを使って、水道から汲みたての空気をたっぷり含んだ水を沸かします。 水道水の場合は、浄水器を通したお水を使っていただくことをおすすめします。また、ミネラルウォーターを沸かしますとより美味しくなります。あまり沸騰しすぎないように、ポコポコと大きめの泡が立ってきたら火を止めます。この時、ポットやティーカップなどの茶器に熱湯をかけ、あらかじめ温めておきます。

2.茶葉にお湯を注ぐ

茶葉3~5gに対して、150~200ccのお湯を注ぎます。 お湯の温度は沸かしたてのだいたい100度ぐらいでいいのですが、発酵の浅いものは低めの温度で淹れることで、甘みがより感じられやすくなります。

3.茶葉を蒸らす

蒸らす時間は茶葉によってそれぞれ違いますが、初めてのお茶は40秒くらいで試してみることをおすすめします。慣れるまではタイマーなどを使って時間を正確に測ってみてください。1煎目をすぐに流して捨てる洗茶はお好みで結構ですが、プーアール茶や老茶など年月を経たお茶では洗茶をおこなってください。洗茶をおこなうときれいな味わいになりますが、香りが落ちたり、個性が削られてしまう恐れもあるので、茶葉によって使い分けてください。

4.ティーカップに注ぐ

茶湯をポットから、各ティーカップに注いでいきます。そのとき、すべての茶湯を出し切るようにしましょう。お湯が残っていると、次の煎が濃くなりすぎて味が安定しません。

見落としがちなポイント

ティーセット

以上が中国茶の淹れ方になります。 紹介したのはポットを使った基本的な淹れ方なので、ご自身の好みにあわせて、ご自分で工夫を重ねて美味しい淹れ方を探してみてください。

また、ティーカップも素材や作り方によってお茶の味わいが違いますし、お気に入りのものを使用することで、より美味しく感じることもできるかと思います。さらに、ポットとティーカップをお揃いの柄にすると、大変見栄えがよくなり、客人をおもてなし際にポイントアップが狙えます。特別なお客様には、最高級のティーセットをお出してみてはいかがでしょう。

→迎茶百科トップへ

ティーポットの特徴

素敵な高級ティーポットで優雅なティータイムを

ティーポット

最近はとてもオシャレで多彩なバリエーションがある世界中のティーポットが身近に販売されています。 素敵な高級ティーポットは、優雅なティータイムを過ごしたり、お友達を招いてお話ししたり、わたしたちにとって非常に身近で、癒しを与えてくれる大切なものです。 ティーポットは本来、ヨーロッパにおいては中国からの舶来物であったという歴史があることから、昔は素敵な磁器のポットを所有することは英国やボストンの上流家庭の主婦にとって接客と家の格式を表すのに欠かせないものでした。

ティーポットとは、茶葉から茶液を抽出し、またそれを一時的に保存しておく、注ぎ口と把手、蓋を備えた容器を指します。 一時保存のためのコーヒーポットやミルクポットと違って、紅茶ポットには抽出という重要な機能があるため、本来の茶葉の特性にあわせ造形や素材をより吟味する必要があります。

日本では、ティーポットといえば紅茶用のものを指すことが多いのですがこれは厳密なものではなく、英語では、日本の急須や中国の茶壺も一括してティーポットといいます。 本体を中心にハンドルと注ぎ口が一直線上反対についているのが特徴で、喫茶の習慣とともに西洋に伝播した中国の茶壺の基本的な形状をそのまま伝承しています。陶磁器や銀でできたものが主で、美術品として鑑賞に堪えるものも多く、また、透明なガラスでできていて内部が透けて見えるものなどもあり、食卓を彩る楽しみを添えてくれます。

「良質な素材」のガラスや磁器製ティーポットは大変便利で、お茶の匂い移り無く、どんなお茶やティーにでも使い回しができるというメリットがあります。 また、大切な茶の味や香りを吸着せず、金気も出さず茶葉の良さをストレートに出してくるのが特徴です。 また磁器製は、絵付けのデザインを目でも楽しむことができます。無地、絵柄があるものと色々ありますので、お好みから選ぶことができます。 TPOで機能、デザインを使い分け、場を華やかにオシャレに演出、接客していただく機会であるパーティーなどでもメインの道具ともなります。

ティーポットの特徴を一言で説明すれば、機能性と演出性の求められる中心的茶器という事でしょうか。 吟味された高級ティーポットを使えば味も香りも変わります。 ティーポットを購入する際には、デザインのみならず素材や工法もぜひ吟味して、できるだけ上質な伝統的素材、工法のものをお求め下さるようにお勧めいたします。

迎茶でご紹介しているティーポットはこちらでご覧いただけます。

→迎茶百科トップへ

魅力的な景徳鎮磁器

景徳鎮といえば陶磁器

201433113111.JPGおよそ陶磁器に興味、関心のない方でも「景徳鎮」という名前はどこかで聞いたことがおありだと思います。

磁都景徳鎮は磁器発祥の故郷として、また、歴史的磁器の名産地として千年の長きにわたり世界に名を馳せています。

またこの景徳鎮は昔から「浮梁の茶」として唐代にはすでに茶の名産地として知られ、現在に至るまで高級茶の生産に向いた山紫水明雲霧深き豊かな自然環境が育まれ、一度口に含めば馥郁として心を醒まして忘れがたいすばらしい茶が作りだされています。

人々の茶の嗜好の変化と製茶の変遷は景徳鎮の茶器の変遷そのものでもあり、常に表裏一体をなしてきました。

壺や皿などと並んで茶器は景徳鎮の重要な製品であり、中国茶文化のなかでも宜興の紫砂茶壺と並んで人々から珍重されるたいへん重要なものです。

宋代から伝わる青白磁、元代に生まれた青花、清代に流行した粉彩や琺瑯彩など今に受け継がれ、魅力的な茶器を生産し続けています。

 

景徳鎮磁器茶器が昔から好まれる理由として

 

・器そのものに美術的、資産的価値があり、堅牢、衛生的で、人々の祈りや願いを具現化した作風は

 親しみやすく時に高貴である。

・白磁は茶湯が美しく見え、優雅な趣を添えることができる。

・安定した素材の磁器は茶味を崩さず、あらゆる中国茶の抽出、品評に適している。

 

などがあげられます。

 

そして、当店ではそうした貴重な総手工の本景徳鎮茶器をご紹介続けております。

迎茶でご紹介している景徳鎮磁器はこちらでご覧いただけます。

 

→迎茶百科トップへ

茶器の種類

歴史的な人々の嗜好の変化と茶葉の変化

蓋碗

お茶の悠久の歴史のなかでは、人々の嗜好の変化と研究とともに多くの茶が生まれて様々に飲まれてきました。
茶器の発展もそれら茶に対する人々の嗜好の変化や茶葉の変化に対応しています。
茶葉は種類によって形状や質が違い、それによって抽出のお湯の温度や蒸らす時間も対応します。
この時、茶器の素材や工法、形状によって抽出の仕方が変わり、味や香りに影響します。
日本の茶具は所作やしつらえの一連の流れと反復の中の要素として存在し、一連のセレモニーを通して求道的に茶を引き出す構成要素としての側面がありますが、文、政治に重きをおく中国文化においては茶は日常茶飯事の事であり、茶は亭主の接客のメインである詩書画の応酬の合間の楽しみでした。
それゆえ茶具は構成要素としての全体との調和よりも個々の道具としての合理的な機能性が求められ、かつ亭主の文人的審美眼による所謂「清玩」「清賞」といった態度の鑑賞に堪えうるものでなければなりませんでした。いわゆる見立て使いの文化が発展しなかった理由もそこにあります。
これは、歴史的にそれだけ過去の中国は物産が豊かだった証でもあります。
以下、現行においてよく見かける中国茶器について簡単に触れたいと思います。

茶壷

茶壺と書いて、サコ、北京語でチャァホゥと読みます。お茶を抽出する道具であり、日本でいう急須、西洋ではティーポットにあたります。サイズは小さな物がよく見受けられますが、実際には大きな物まで種類が豊富です。材質も磁器やガラス、陶器などがあります。茶壺は中国茶器の中で最も魅力に富み、種類が多いと言われています。昔は直接口をつけて吸い飲みする水筒代わりに使う事もありました。

蓋碗

蓋のついた北方、西方由来の清朝期上流階級のお茶碗のことで、現代では蓋・碗・托の三点一組となっています。蓋をずらしてそのまま啜り飲みします。また共産中国以降、福建省で急須の代わりに使う用法が茶葉試験場のテイスティング現場から起こり、それまでの潮州急須に比べ安価で簡便なことから民間にも普及。台湾、香港に流行し現在に至ります。
口径が広く温度の放出が早いため高級な発酵の弱い茶をいれるのに特に優れた器です。また白磁に揺らぐ緑の茶葉を鑑賞するのには周囲の色を吸い込む透明なガラスより優れています。

茶杯

湯のみやお茶碗と同じ役割を持つものです。お猪口のような小さなサイズの物もあれば、茶碗のような大きな物まであります。茶杯は季節や茶の種類、用途によって小さい物でも大きい物でもいろいろあると便利です。お茶の味わいに大切なのは大きさや形状よりも、素材と焼成の仕上がりです。テイスティングに最大に優れているのは正しい素材を1300度から1320度の間で焼いた青花磁器のものです。釉薬がしっかり溶けて生地と一体化し、よく磁器化したものを選びましょう。お茶の味が繊細に味わえて味わいを濁しません。また茶渋もつかないのが特徴です。茶渋のつくものは茶杯でも急須でも避けるべきでしょう。宜興の急須でもお茶がおいしく入る名品は素焼きでも密度が高く、焼成がしっかりとして茶渋がなかなかつきません。

茶海

これは茶壺でいれたお茶の濃さを均一にするための茶器で、日本の煎茶の湯冷ましをヒントに日本と縁のある台湾で70年代後半から80年代初頭に派生しました。
茶壺でいれたお茶を一度この茶海に注ぎ、濃さを均等にしてからそれぞれの茶杯に注ぐもので、茶が冷めないように温度管理だけ注意すれば便利なものです。

→迎茶百科トップへ

喫茶の文化と紅茶の種類について

紅茶は洗練されたイメージがあって、特に女性の方に人気がありますね。ここでは、紅茶を含めた喫茶の文化や紅茶の種類について簡単にご紹介したいと思います。

紅茶は他のいろいろな種類のお茶と同様、中国で生まれました。17世紀初頭に緑茶がオランダに伝わり、その後紅茶もヨーロッパに伝わっていきます。
また、喫茶の習慣は、もともと世界各地にあったのですが、コーヒーやチョコレートに続いて紅茶を楽しむことがヨーロッパの上流階級に広まり、その後爆発的にヨーロッパ全土に流行っていきます。

コーヒーは、アフリカに植民地を持つフランスの独占貿易でした。
イギリスでは、上流階級で流行った紅茶が市民の間でも親しまれるようになり、紅茶の喫茶文化が一般に広まっていきました。

17世紀には、中国から茶の直輸入が始まり、19世紀にはイギリスの植民地であるインドのアッサム地方で自生の茶樹が発見され、紅茶の流行にさらに拍車がかかります。
日本では、もともと緑茶が中心でしたが1887年に紅茶が初めて輸入されました。その後、国内でもさまざまな会社で紅茶が製造されていったのです。

紅茶の種類

紅茶には、ダージリン、スリランカ、ニルギリ、アッサム、キームンなどさまざまな種類があります。

ダージリン

インド産の紅茶でストレート向きの爽やかな紅茶です。
「紅茶のシャンパン」とも呼ばれ、セイロンのウバ、中国のキーマンと並び世界の三大紅茶と言われています。
春摘み、秋摘みの収穫期の違いがあることや農園別に紹介されることなどから、こだわりのある方に好まれる紅茶です。

スリランカ

スリランカで作られる紅茶の総称です。セイロン紅茶とも言います。
ウバやヌワラエリヤ、ディンブラなど産地別にも紹介されます。

キャンディー

スリランカ産の紅茶。甘味とコクがあり、クセがなく飲みやすい味です。
ストレートティー、ミルクティー、レモンティー、アイスティー向きです。

アッサム

インドの紅茶でしっかりと甘みとコクが出る濃厚な昔ながらの紅茶。
ミルクティー、ロイヤルミルクティー、チャイにも向いています。

ウバ

スリランカ産で、メントール系の香りがふわりと香るコクのある紅茶。世界3大紅茶のひとつです。
ストレートティー、ミルクティー、レモンティー、アイスティー向きです。

キームン

中国の紅茶。世界3大紅茶のひとつ。やさしい甘みのある味と、独特の香りが紅茶上級者に人気の紅茶。 ストレートティー、ミルクティー向きです。

以上、ストレートで飲まれる紅茶の種類を少しご紹介しました。
他にも紅茶に香りをつけたフレーバーティーや、ハーブと紅茶のブレンドなど、さまざまな種類があります。
紅茶をお好きな方は、いろいろな紅茶を楽しまれていることと思います。当店でも台湾と中国の紅茶を扱っています。
より美味しくお飲みになりたい方には、紅茶をクリアにまろやかにいれることのできる本景徳鎮の紅茶ポットやティーカップ&ソーサーをお試しいただきたいと思います。

→迎茶百科トップへ

ティーポットの選び方

毎日のお茶は、ともするとストレスを受けがちな私たちの生活に潤いと活力を与えてくれます。
心楽しい、安らぎの毎日のティータイムも、お茶や茶器を変えたり、趣向にさまざまなバリエーションをつけることで情操、創造性が刺激されるところなど、お茶には単なる嗜好品を超えた健康的な精神性の魅力にあふれています。一服のお茶の清々しさは他に代えがたいものがあります。

お茶本来の清々しさや情緒を引き出すには、なんといっても道具の助けがあれば鬼に金棒です。
高級ポットや、骨董品、おしゃれなカフェグッズなど気に入ったものを使うのもいいかもしれませんが、気に入った道具が未来永劫最大のパートナーとは限りません。

そもそもお茶には世界にとてもたくさんの種類があります。茶葉によって淹れ方も異なり、抽出する時間やお湯の温度にもそれぞれに適した数値が存在します。同時にティーポットの形や工法、材質が違うと、同じ茶葉・湯・抽出時間でも味や香りに優劣が出てきます。
そこでぜひおすすめしたいのは、値段やデザイン、古さや新しさだけではなく、道具として優れていて、茶の表現性に富んだものをお選びいただくことです。

選び方は意外と簡単です。
よく言われる茶葉のジャンピングとかポットの大きさ・形は茶葉の表現性とはほとんど関係ありません。お茶の味にもっとも直結するのは器の素材と工法、そして焼成の良否です。
優れた茶葉や吟味されたお湯は再生ソースであって、それらの細やかさのすべてを引き出せるか引き出せないかは再生装置であるポットが大きく関わってきます。
それだけに、ポット選びはデザインや大きさなど単なる好みだけでは不完全で問題があります。優良なポットから良質な茶杯に注がれてはじめて茶と水は繊細な味と香りを織りなして語らいを始めます。

良質なポットや茶杯は大きさ形に関わらず、堅牢で表面に一定の硬度があり傷がつきにくいものです。重ねやカトラリーで簡単に傷がつくような素材ではお茶の味を濁します。
研磨に弱いという事はまた、臭いや雑菌の基となり、結果として茶渋がつきやすい、汚れを引き寄せるものと言えます。漂白剤の出番が多い汚れやすい磁器は必ずお茶の味を濁らせ、水を固くします。
逆にお茶や水を注いだだけで美味しいと感じる磁器は、茶渋やたんぱく質が付着しません。またそうした磁器は素材の密度も高く、肌触りよく保温性もいいものです。

まずは素材、工法、最適な焼成仕上がりの条件がそろったものを探して、その先で形や大きさ、新旧や好みを見ていけば万全です。
くれぐれも、茶器えらびを外見から入ってしまうことで、絶対美味しくならない泥沼やとっかえひっかえいくらお金をかけても茶葉と茶器同士取り合わせの相性の絶対揃わない負のパズルにはまらないようにしてください。

→迎茶百科トップへ

景徳鎮の歴史

中国磁器の代名詞ともいえる景徳鎮は中国で「磁都」と称される歴史ある磁器作りの町です。
世界に先駆けて高品質の白磁の生産が始まり、景徳鎮郊外の高嶺(カオリン)山からは高品質な磁器の原料である「高嶺土」が産出されました。「高嶺土」は鉄分の含有量が低く、粘性、耐火度が高く、繊細な白い磁器を生み出すのに適しており、高嶺山は高級磁器素材のカオリンの語源となりました。

長江の南、江西省東端、昌江の流れの南に焼き物の街ができ始めたため、当初は昌南鎮と呼ばれていましたが、宋代の景徳年間に宮廷献上用の陶磁器が生産されたことにより、元号から名前をとり以降は景徳鎮と呼ばれるようになりました。
宋代は景徳鎮における陶磁器の生産が初めて世界に名を轟かせた時期であり、続く元代、明代の染付磁器とともに東は日本、西はペルシャ、トルコ、アフリカ東岸まで輸出されました。イスラム圏にはるばる磁器を運ぶ中国キャラバン隊の姿を描いた絵も残されています。オランダ、イギリスの東洋進出が始まると中国商人やイスラム商人の手を離れ、西洋人による直接の輸入やオーダーが始まります。景徳鎮にも西洋人が訪れる様になり、相互の技法やデザインの交流が始まりました。
そのため景徳鎮は昔から不思議な国際性のある田舎町でした。西洋人の不思議な中国人のイメージはもしかしたら景徳鎮人かもしれません。そのせいか景徳鎮には昔から田舎には珍しいほど多くのキリスト教徒や回教徒がおり、教会やモスクもあります。また城壁に囲まれていないオープンな街も中国では珍しいものでした。ややもすると秘密主義で保守的になりやすい焼き物の産地の中で景徳鎮がオープンで柔軟性に富んでいるのはこういった国際交流の伝統によります。
日本の徳川時代の古いお寺の庭や、インドの東インド会社関連の庭、オランダやイギリス、アメリカの古い街に時々見る古い中国薔薇の原種は、やはり景徳鎮の古い窯が散在する山間の農村に多く自生しているのも見逃せません。そして、この山間の街道はキーマン紅茶を運んだティーロードでもありました。西洋人が焼き物とお茶とバラを運んだのです。

景徳鎮は決して骨董の世界でもなければ骨董の街でもありません。時代や民族、国や宗教を超えて常に自由な精神が羽ばたいて、世界の中で高い独自性を保ってきたのです。

青磁、青白磁、青花、粉彩など多様な製品が今でもつくられ、日用雑貨から芸術品に至るまで、何もかも巨大なスケールで動く、24時間眠らない街、省都をしのぐ経済の街、それが景徳鎮の真の姿です。最近は観光と産業を一体化した街づくりが進められています。列強による半植民地化、日中戦争、共産革命の混乱と衰退を経て21世紀は再び景徳鎮が世界に復帰する歴史的時代の幕開けです。

今の景徳鎮に触れることは、近年見ないダイナミックな陶磁器の歴史展開のの最前線の目撃者となれる楽しみがあります。

→迎茶百科トップへ