紅色の発色が大変美しい、本釉裏紅の杯。
中国・元時代に始まった、銅の顔料を使って紅色に発色させる焼き方ですが、青花以上に焼成温度の管理が大変に難しく、本釉裏紅を作っているところは景徳鎮でもほとんどありません。
温度が低すぎると黒みを帯び、高すぎると色がが飛んでしまう難しいものですので、市場の店頭に並んでいるのは、釉裏紅の名前がついていても昔ながらの本物の釉裏紅ではなく、赤い顔料で釉下に描いたものが大半です。
ご紹介している釉裏紅の杯は、その難しい本釉裏紅で絵付けをした作品。
独特の深い紅色が美しく、ところどころに銅の絵の具特有の緑色が発色しているのも味があります。
手触りも特徴があって、なめらかであたたかみのある独特の肌触りです。
お茶をいれて口に含むと、とろりとしたまろやかさを感じます。
大変希少で貴重な本釉裏紅の杯は景徳鎮でも入手困難な作品です。