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景徳鎮茶器

手描き色絵の周りに見られる透明な部分の説明

色絵の手描きの品をお買い上げ頂いたお客様から時々

「絵付けの周りにシールのあとの様な透明な部分があるのですが?」

という質問をいただきます。

迎茶が取り扱っている景徳鎮の中国茶器、磁器の絵付けはすべて手描きのものですが、

皆様がより安心してお買い上げいただけるように、

この透明な部分についての詳しい説明を製造元(小雅外事部長)からいただきましたので、

専門的な説明になりますが、そのまま掲載します。

以下、製造元からです。

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ご質問のシールを貼ったようなあと(論法的にシールの方が後に発明されできたものなので本末転倒なのですが)については

中国の手描き色絵磁器に馴染みの無い方から一番多く良くご質問を受けます。

これは詳細には何パターンかの理由がありますがほとんどが次の二つの理由です。


①描いた絵付けを保護するために薄い透明な膠の役目の顔料を絵付けの上から塗ったあとです。


透明ガラス質の低温色釉薬は薄いと剥離しやすくなりますので、

色の剥落を防ぐために上から透明絵の具をもう一層かけて

コーティングするという一手間多く仕事をしているからなのです。

この技法は建国以降様々な顔料と技法が折衷して使われるようになってから定着したものです。

 

②透明顔料を保護用としてかけていない場合でも、低温顔料を薄手に重ね塗りした場合、

下の線描は焼成時散りませんが、上に乗せられた色絵の具を含んだ透明顔料は性質上周囲に表面張力で拡散します。

 

薄く伸びたところが発色が弱く透明にしか見えないのでこれがシールのように見える場合がほとんどです。

ご存知のように日本画の顔料と同様、色絵磁器の顔料も膠の役目をする透明顔料を触媒としないと単体では発色も結着も致しません。

この透明質がシールと誤解されますが、シールを磁器に結合させているのも同じ透明顔料です。

プリント紙に顔料と結着用の透明顔料を刷り込んだ物がプリント紙です。

原理は同じです。それが手作業か印刷かの違いです。

博物館の国宝級の物も、骨董も、色絵は直に手に取って見ると同じ現象が見られます。

また、マイセンやヘレンドでも上絵の具製品は全く同じ現象が見られます。

ただ中国製手描き品が誤解を受ける理由は、欧州絵付けは油絵と同じ技法なので絵画に輪郭線がありません。

中国絵画は、没骨法を除いて線描が基調なので輪郭を描いた後で色をのせて行きます。

この輪郭絵付けからはみ出た透明部分が特にプリントとの疑念を生みますが、本末転倒の出来事なのです。

 

d0082972_1754686[1].jpg【画像をクリックすると大きい画面になります】

例えば、上の蓋碗の画像の魚と水草は輪郭線の無い没骨法表現の一種です。

絵の周囲に透明な皮膜が見えるところがありますが、

これは色顔料結着のための透明顔料が800度前後の焼成中溶解したものが表面張力で薄く周囲に散った物です。

(画像では写りにくいのでわかりにくいかもしれません。[-注 迎茶店主])

全く正常で普遍的なものなのでご安心ください。

珠明料と言われる古典的透明顔料の性質とご理解ください。

シールや印刷では、この蓋碗に描かれた生き生きとした魚の表情を表わす筆触、マチエールは表現することは出来ないと思います。

この蓋碗は新しい品ですが、民国時代の作品を思わせる焼き上がりの肌合いと絵付けの作品ですので、

この説明でご安心いただけるとうれしく思います。

-説明、以上-