【景徳鎮のやきもの】カオリン-世界が憧れた白い土

 

カオリンは、高嶺とも高梁とも書き、景徳鎮近郊の山の名前です。
そこで採れる白い土(実際には硬い岩)がカオリンと呼ばれ、
景徳鎮の磁器の特徴である透明感のある白く薄い焼き物となりました。
世界の焼き物が800度から1200度以上になると崩れてしまうのに比べ、
景徳鎮のカオリンを含む磁土は1300度以上という高温で焼くことが出来たので、
硬い磁器を焼くことが出来たのです。
白い磁土の産地、高嶺山の中国語の発音であるカオリンをとって、
磁土の科学名はカオリナイトと名付けられました。
カオリンは、今では世界のいろいろなところでも産出されていますが、
1700年台に欧州のマイセン窯で発見されるまでの長い間、
カオリンを使った磁器は景徳鎮でしか作られず、世界中の憧れの的だったのです。
今では、採掘されつくされ枯渇したといわれている高嶺山のカオリン。
とても希少で高価ですが、手を尽くせばなんとか少量なら手に入ることもあるようです。
高嶺山のカオリンを使った倣古作品が画像の小さな杯です。