【景徳鎮の絵付け】梅-春の訪れを告げる吉祥の花

 

早春にいち早く可憐な花を咲かせる梅は、「報春花」ともいわれる春の象徴です。
五弁の花びらから、五福をあらわす吉祥の花として中国で最も親しまれている花です。
五福とは、長寿・富裕・康寧(無病息災)・修好徳(道徳を楽しむこと)・考終命(天命を全うする)と書経・洪範に記されています。
夜の暗闇の中でも香りで梅が咲いていることがわかることから、「暗香」といわれます。
また中国では、寒中に咲く梅の花を高潔な君子に例えて、
松、竹とともに描く「歳寒三友」、蘭、菊、竹とともに描く「四君子」は高潔な趣を表すのにふさわしい吉祥図です。
十二種類の花を賓客にたとえ、宋代に選ばれた「花十二客」では「請客」とされています。
また、四貴四徳をもつ瑞花ともされています。
先駆けて芽を出す「元」、いち早く花を咲かせる「享」、果実が「利」、成熟して「実」をもたらすことで四徳となります。