【景徳鎮の絵付け】百花-百花春至為誰開

百花といえば、様々な花が咲き乱れる様子を表していて、
転じて「百花繚乱」や「百花斉放」など、
文学・芸術においてすぐれた立派な業績が一時期にたくさんあらわれることや
多くのひとびとが活発に運動を展開することに使われることが多いことばです。
きらびやかな印象のことばであり、
この「百花」のさまを絵付けにしたものは、とても華やかな作品になります。

 

倣古やHonghaiにも百花図の絵付けがありますが、その絵付けの華やかさのなかには、
「百花春至為誰開((ひゃっか はるいたって たがためにひらく)」という
宋代の禅の教えをも含んでいるのではないかと思いました。
咲き乱れる花々は、誰に見てほしいというわけでもなく、春になったから咲いている。
ただ無心に咲いているからこそ美しい。
ここにご紹介する倣古作品の百花図も、Honghaiの百花の絵付けも、
ただ無心にそこにある花を描いているからこそ、
静かに美しいのではないかと思うのです。

 

どちらの絵付けもただ無心に描きながら、、
手元において下さる方々の幸せを願う絵付け師の祈りも込められています。
静かであたたかな、眺める人を幸せにする作品たちです。