絵付け-景徳鎮の絵付けに込められた祈り

 

景徳鎮の器には、特に高級な素材をふんだんに使った本景徳鎮の作品には、
必ず美しい絵付けが施されています。
もちろん、焼き物のなかには釉薬の美しさを誇る絵付けのない作品もありますが、
明、清の時代から景徳鎮の器は青花(染付け)や粉彩による色絵によって、
さまざまな文様や絵画にもまさる絵付けが施されてきました。
すでにブログでもいくつかご紹介しておりますように、
描かれている花鳥や文様には、それぞれに意味があります。
ひとつひとつにも、また組み合わせにも意味があり、
すべてが福、禄、寿、喜、財の五福を願う吉祥の図柄です。
ただ五福の内容をそなえているだけではなく、
絵画芸術と言語芸術をたくみに結び合わせたものでもあります。
描かれている吉祥の絵付けは、願いであり、祈りであり、
また、書であり、詩、音楽でもあるのです。
貴重な高級材料を使い、ろくろ師が丹念に形作り、
細心の注意を払って焼き上げられた器に描かれているのは、
使う人々の繁栄や平和を願う祈りを込めた総合芸術なのです。