「日本国宝展」に行ってきました。

平日の午前中でしたが、すでに入場制限されているほど、大勢の方々が見に来ていました。

ものによっては、三重四重の人垣で見えないものも。

久しぶりに見た「飛青磁花生」はやはり圧巻の美しさでした。

見るたびに感動して、新しい発見があります。

この磁器を見るために、もう一度行こうかなと思います。

日本の国宝は、多くが仏教に関係したものですね。

仏像、仏画、様々な絵巻など全国のお寺から一堂に会して圧巻です。

玉虫厨子があんなに大きいものだとは思っていませんでしたし、(残念ながら、玉虫の翅は確認できませんでした。2563枚残っているそうですが。)正倉院宝物の琵琶の大きさと意外と薄いものだということも不勉強で初めて実物を見て知りました。

十年以上、時間が作れずこうした展示会にもほとんど行けなかったので、改めていろいろな展示会に行くようにしています。

東京は様々な展示会が開かれているので、本当にありがたいです。

今回の国宝展もこれほどの数の国宝を見ることができて、とても勉強になりますし、ありがたいことだと思います。

ただ、ガラス越しに国宝の仏涅槃図を見ながら、先日岩手の正法寺で壁一面の大きな涅槃図を拝見した時のことを思い出していました。

9月の昼下がり、誰もいない静かなお寺の開放された大きな部屋で、壁一面の涅槃図に圧倒されながら、ときおり聞こえる鳥の声と蝉の鳴き声、通り抜ける風を感じ、時間を忘れたひととき。

あたりまえのことですが、あるべきところで芸術を見ることの贅沢を改めて思います。

あの時帰る時間を気にする私に、あのお寺は見ておくべきと勧めてくださったこと。

本当にありがたいことだったと気が付きました。

場所や空気感、そのものを取り巻くすべてのものが芸術なのだなと感じることが出来ました。

まとめてお宝を見ることのできる展覧会も素晴らしいですが、それぞれの場所で芸術を感じる素晴らしさも忘れないようにしようと思ったのでした。