ネットショップでご紹介した「老料柴窯三多図杯」の画像です。
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三多図は通常、桃、柘榴(ザクロ)、仏手柑(ブッシュカン)が描かれているのですが、
この杯は、仏手柑ではなく枇杷(ビワ)が描かれていて、
ちょっと珍しい絵付けです。
枇杷(ビワ)は、黄金色の実が黄金を表わしているので富の象徴です。
桃は多寿(長寿)を表わし、
柘榴はその実の多さから多子を表わし、
枇杷は多富を表わしている
大変におめでたい絵付けの杯です。
ただおめでたいだけでなく、
その絵付けは細密で上品な抑えた色合い、
とても品が良い、静かなたたずまいです。
現世の幸福を願うのも、貴人は品よく美しい杯で控えめに願ったのでしょうか。
清の時代のたおやかな貴婦人を思わせる倣古の杯です。