東京バット、見参!

お久しぶりです、裏方のタケです。

このたびは、9月17日から19日まで、代々木上原のギャラリーDo Proggeto(ドゥプロジェット)にて開催いたしました景徳鎮展覧会「本景徳鎮 倣古作品の魅力」~古典的倣古作品と新しい流れ~にお越しいただき、ありがとうございました。

 

さて、今回の展示会では新たなシリーズである「東京シノワ」ブランドの初お披露目も行いました。

迎茶に品が届いたのが14日だったので、本当にギリギリでしたが、なんとか間に合いました。

このシリーズですが、従来ご紹介してきた高級磁器と同じ素材で、同じ技術者が作っています。

しかし、価格に関しましては大幅なプライスダウンとなっております。

どうしてそのようなことが可能になったのかと申しますと、絵付けのデザインを、緻密さの代わりに空間を活かしたものにして、絵付けにかかる時間を削減しているという点でのコスト削減はあるのですが、基本的に、関係者すべてが「これを使ってもらいたい!」という思いのもと利益をそれぞれ削っているということが、低価格を実現している最大の要因です。

そして、一番重要な、磁器・茶器としてどうかという点についてですが、私も実際に手にとって見てみましたが胎を触った心地よさや絵付けの質の高さは今までの作品群に勝るとも劣らないものであると感じました。

 

そして、今回の展示会でご紹介した中のうち、蝙蝠をモチーフにしたもの、名づけて「東京バット」の作品群、これらがなかなかに面白いのです。

蝙蝠の他には金魚の絵付けの作品が届いていて、これはとてもわかりやすい良さがあるのですが(杯を金魚鉢に見立てて一つの世界を描いているそうです)「東京バット」は、ちょっとわかりにくいのです。

はじめて見た際に「チューリップ?」「木の実?」などと思い、何が描かれているかわからない方もおられたようです。

実際、私もわかりませんでした。

しかし、手にとってよくよく見るとそこにいるのは精緻に描かれた五匹の蝙蝠たちで、「あっ!」と驚かされるのです。

蝙蝠、それも五匹の蝙蝠といえば中国の縁起物の代表格、そうした「願い」もこめられた「東京バット」シリーズ。

まもなくネットショップでもご紹介していく予定ですが、「本景徳鎮磁器に興味があるけど価格がネックで……」という皆様には買って損はない、いえ、これこそ買わないと損という質と素材と絵付けの作品であると断言させていただきます。

 

あと、余談ですが、日本人には「蝙蝠」というと「どっちつかず」「裏切り者」というイメージがありますが、東京バットの蝙蝠たちは縁起物のうえ、みな表情に味があって可愛らしいのです。

お手にとっていただければ、きっと愛着がわくことと存じます。

見れば見るほど発見があり、目が離せなくなる「東京バット」たち。

ネットショップなどへのアップを、いましばらくお待ち下さい!