ホンハイ工房の茶器の絵付けに使われている本染付けの絵の具は、
絵の具を売るお店などでは売られていない特別なものです。
代々受け継がれた秘伝の絵の具。
最近の染付け絵付けを施した磁器には
本染付けの絵付けはほとんどありません。
流通している絵の具ではないので、
使える工房はごく限られています。
天然の鉱物を原料にしていて、
扱いもとても難しい絵の具です。
絵付けも大変に難しく、
特別な技術を習得している絵付師のみが
本染付けの絵付けを描くことができるのです。
今主流の染付けは、色絵の具と同じように
描いているときに濃淡がわかるので、
絵付けの仕上がりを確認しながら描くことができますが、
本染付けで使われる「呉須(ごす)」は、
泥絵の具のように不透明なので、
焼き上がるまで絵の仕上がりがわかりません。
そんな絵の具を使って、
濃淡のある絵を描くことがどれほど難しいか。
経験で焼き上がりの濃淡がわかるようになるのに、
いったい何年かかるのでしょうか。
本染付けの絵付けのできる特級絵師は、
景徳鎮にも数えるほどしかいないそうです。
そんな数少ない本染付けの絵付師、
その中でも景徳鎮市高級美術工芸師の資格を持つ
シュウ氏の手による作品が、
ホンハイ工房の本染付け作品です。